和食器.jp

波佐見焼

波佐見焼は電子レンジや食洗機は使える?使い始めに目止めは必要?

波佐見焼って電子レンジや食洗機、オーブンは使えるの?使い始めに目止めは必要?おしゃれで扱いやすく価格も手頃と大人気の波佐見焼の特徴や歴史、種類や取り扱い方、お手入れの方法などを詳しく解説。染付や絵付けの違いから、ブランドや窯元までご紹介。

23,846

最終更新 -

この記事の目次

最近よく耳にするようになった「波佐見焼」という器。焼き物としての優しい風合いを残しつつ、おしゃれでカラーも豊富。取り扱いも簡単で使い勝手が良いので、普段使いの食器として若い世代を中心に人気が高まっています
今回は、そんな「波佐見焼」について詳しくご紹介していきます。

波佐見焼は電子レンジで使える?

「磁器でてきた波佐見焼」は電子レンジで使えるものが多く、「陶器でてきた波佐見焼」は電子レンジが使えません。
波佐見焼には磁気でできた器が多いのですが、まれに陶器でできた波佐見焼もありますのでご注意ください。

電子レンジで使えるかどうかは「陶器」か「磁器」によって異なります。
陶器は劣化や破損につながるため、電子レンジや食洗機などは使用できませんが、磁器はものによっては使用できるものがたくさんあります。
波佐見焼も、絵付けなどの装飾によって使用可・不可となるものがあるので購入前に確認するようにしましょう。

インターネットで購入する場合は、殆どの商品ページに取り扱いの注意事項について記載があります。
店舗で購入の際は、店舗スタッフの方に確認するようにしましょう。

陶器と磁器の違いは?

陶器と磁器の大きな違いは、その原料です。陶器は粘土を原料として低温で焼き上げるのに対し、磁器は石粉(磁土)を原料とし、高温で焼き上げます

陶器

磁器と比べてガラス質が少なく柔らかいのが陶器です。厚手で重く、叩くと鈍くて低い音がします。水を吸いやすいですが、通常は釉薬をかけて水を通さないようになっています。熱伝導率が低く、熱しにくく冷めにくいのが特徴です。代表的な陶器として美濃焼、信楽焼、備前焼、唐津焼などがあります。

磁器

磁器は薄手で軽く、叩くと金属的な高い音がします。ガラス質が多くほとんど水を通しません。熱伝導率が高く、熱しやすく冷めやすいのが特徴です。代表的な磁器として有田焼・九谷焼(くたにやき)・砥部焼(とべやき)などがあります。

波佐見焼に代表される「染付」のものは電子レンジも使用可能です。
上絵付された「赤絵」や「色絵」は、温め直し程度の短時間であれば問題ありません。しかし長時間の加熱調理などには適していないので使用しない方が良いでしょう。
キラキラした「金彩」「銀彩」「プラチナ」のものは電子レンジ使用不可です。電子レンジで加熱すると、バチバチっと火花が散り、黒く焦げてしまうことがあるので絶対に使用しないでください。
近年は、製品によっては色絵に見えても実は染付で、電子レンジ対応可のものも多く登場してきています。それぞれの注意書きなどをチェックするようにしましょう。

波佐見焼は食洗機で洗える?

最近の波佐見焼は時代に応じ、食洗機使用可のものが多くなってきました。
しかし、まれに食洗機はNGのものもあるので注意しましょう。

基本的に「染付」のものはすべて食洗機も使用できます。下絵付の器であれば、釉薬のガラスコーティングがあるので食洗機を使用しても絵柄が剥げることはありません。
近年多くなってきた器全体がカラフルな器は、後から色付けしているのではなく、カラフルな発色になる釉薬を使用している場合が多く、これらは下絵付のものと同様に食洗機や電子レンジでも問題なく使用することができます。

しかし「赤絵」や「色絵」などの上絵付のものは、食洗機を使用すると、絵柄が剥げてしまったり色がくすんでしまったりする原因となります。また、「金彩」や「銀彩」などもせっかくのキラキラがくすんだり、剥げたり、変色する原因となってしまうため、永く愛用したい方には食洗機のご使用はおすすめしません

食洗機OKかどうかも、製品によって異なるため、各製品の注意書きなどを購入前にチェックするようにしましょう。特に、日常使いしたい食器は食洗機対応、電子レンジ対応は事前チェックしておきたいものです。

波佐見焼はオーブンで使える?

グラタン皿など、オーブンで使用することを想定した波佐見焼の器はもちろん使用OKですが、それ以外のマグカップ、お皿といった波佐見焼の器では、オーブン使用不可としている商品が多く見られます。

波佐見焼の多くは磁器となっており、オーブンなど急激な温度変化により割れてしまう場合があります。
そのため、焼き立てのグラタン皿をすぐに冷水に浸けるとか、冷蔵庫などで冷えた器をすぐにオーブンに入れるなどを繰り返していると、ヒビが入ったり、突然割れたりすることもあるので気をつけましょう。
また、基本的には直火での使用はできません

波佐見焼の使い始めに「目止め」は必要?

目止めとは食器を購入した際、初めて器を使いう前に、水漏れやひび割れ、ニオイ移りを防ぐために行う事前処理のことです。
目止めは「陶器」では必要ですが、「磁器」では必要ありません。

多くの波佐見焼は「磁器」の物が多く、基本的には必要ありませんが、まれに「陶器」でできた波佐見焼もありますので、購入の際や購入後の取り扱いを確認するようにしましょう。

陶器と磁器の違いは?

陶器と磁器の大きな違いは、その原料です。陶器は粘土を原料として低温で焼き上げるのに対し、磁器は石粉(磁土)を原料とし、高温で焼き上げます

陶器

磁器と比べてガラス質が少なく柔らかいのが陶器です。厚手で重く、叩くと鈍くて低い音がします。水を吸いやすいですが、通常は釉薬をかけて水を通さないようになっています。熱伝導率が低く、熱しにくく冷めにくいのが特徴です。代表的な陶器として美濃焼、信楽焼、備前焼、唐津焼などがあります。

磁器

磁器は薄手で軽く、叩くと金属的な高い音がします。ガラス質が多くほとんど水を通しません。熱伝導率が高く、熱しやすく冷めやすいのが特徴です。代表的な磁器として有田焼・九谷焼(くたにやき)・砥部焼(とべやき)などがあります。

粘土を原料とする陶器は、貫入(かんにゅう)と呼ばれるヒビのようなものが入ります。これは土とうわぐすりとして塗る釉薬との収縮率が違うために入るものです。貫入は使い続けるうちに変化していき、模様の一種としてその変化を楽しむ人もいます。キズではありません。

しかし、この貫入に料理の汁などが入り込み、ひび割れのように目立つのが嫌だという人もいます。貫入が気になる人は「目止め」をすることで貫入が目立つのを予防することができます。また、目止めをすることで料理の水分や油分が浸透しにくくなるため、ニオイ移りやシミを防ぐこともできます。土鍋のような、よく使う陶器を永く愛用したいなら目止めしておくと良いでしょう。

日々の目止めの方法は難しいことではなく、使用する前にさっと水にくぐらせて水気を拭き取ってから使います。使用後は水に浸しておかず、すぐに洗い、よく乾燥させてから食器棚にしまいます。
使い始めの時だけは、米のとぎ汁で15分~30分ほど弱火で煮沸し、ゆっくり冷めるのを待ってからよく洗って乾燥させると良いでしょう。

波佐見焼の普段のお手入れ方法

波佐見焼は陶磁器の中でも、お手入れが簡単でお手軽なことも人気の理由のひとつです。
普段のお手入れは他の食器と同じく、キッチン用の中性洗剤とやわらかいスポンジなどで手洗い、もしくは食洗機でしっかり洗えば良いだけです。
(波佐見焼の器の多くは、食洗機が使えますが、まれに食洗機使用不可の場合がありますので、商品の説明書きや、購入ショップのWebサイト、窯元商品ページなどを確認しましょう)

もし茶渋などが染みついてきてしまった時は、食器用漂白剤も使用できます
ただし、金彩・銀彩など、上絵付のものは漂白剤で色落ちしてしまう場合があるので、漂白剤の使用は避けた方が良いでしょう。

その他は急激な温度変化を避ける、食洗機の中などで器同士がぶつかり合わないように気を付けるなど、基本的な注意事項だけです。
焼き物はお手入れが面倒、というイメージがある方が多いかも知れませんが、それは陶器の場合です。
陶器は吸収性が高いため、料理のニオイやシミがついてしまうことがあるため、使用する際に「目止め」をすることで永くお使いいただけます。

波佐見焼とは

波佐見焼(はさみやき)とは、長崎県の中央北部にある波佐見町付近で生産されている400年以上の歴史をもつ陶磁器です。
それまで高価で庶民には手の届かなかった陶磁器を、大量生産に特化し、大衆の日用食器として安価で提供することに成功し、江戸時代の庶民文化を支える大衆食器として愛用されてきました。

近年は、マルヒロの「HASAMI」など、波佐見焼を前面に押し出したブランドが多数登場し、知名度が向上。丈夫で日常使いしやすく、お手頃な陶磁器として若い世代を中心に年々人気が高まり、全国的に知られる存在となってきました

波佐見焼の有名な窯元・ブランド

おしゃれで扱いやすい波佐見焼、どのような窯元・ブランドがあるのか一部ご紹介します。型にはまらない波佐見焼はバリエーションの豊富さも魅力ですね。

白山陶器

白山陶器(はくさんとうき)株式会社は、創業は1779年という250年近い歴史をもつ波佐見町にある窯元で、デザインから成型、絵付け、焼成まで全ての工程を自社内で一貫生産しています。数々のグッドデザイン賞の受賞作品もあり、そのデザイン性と使い勝手の良さが高く評価されています

あらゆる料理に馴染み汎用性の高い白磁のテーブルウェアシリーズ「S-line」や、なめらかで美しい曲線が印象的なサイズ違いのボールシリーズ「CARVE」、石をイメージしたアシンメトリーな造形のプレートシリーズ「ペトラ」など、こだわりぬいた美しいフォルムが印象的な器を数多く発表しています。

勲山窯

勲山窯(くんざんがま)は波佐見町にある波佐見焼の窯元です。どこか懐かしく、温かみのある器は、波佐見の工房でひとつひとつ丁寧に作られています

人気の「Dahlia(ダリア)」は大胆なダリアの柄をモチーフにし、カラーバリエーションも豊富なテーブルウェアシリーズです。その他にも「cats」や「dot」、「lemon」など愛らしいモチーフで普段使いしやすいテーブルウェアのシリーズがたくさんあります。

西海陶器

西海陶器(さいかいとうき)株式会社は、70年以上前、一台のリヤカーでの行商から始まったという波佐見町にある卸販売会社です。「ヒトとモノの架け橋となり、人々の暮らしを豊かにしたい」という理念のもと、国内だけでなく海外にも拠点を拡げ、波佐見焼を世界各地へと届けています。

「暮らしの中で豊かさを感じられるものづくり」をコンセプトにした「essence of life」、普遍的なデザインと実用性を重視し、多くの人に長く愛用されるテーブルウェア「Common」、波佐見焼の伝統を現代のコンセプト革新するテーブルウェア「HASAMI PORCELAIN」、ベビー食器の「NUPPU」など、デザイナーや窯元とコラボして実用性とデザイン性を兼ね添えたオリジナルブランドを多数展開しています。

マルヒロ

有限会社マルヒロは、昭和32年創業の波佐見町にある陶磁器の企画卸メーカーです。
波佐見焼の伝統を受け継ぎながらも、新しい息吹を波佐見に吹き込んだ「HASAMI」を生み出し、波佐見焼の再起に大きく貢献しました。

「HASAMI」は「60年代のアメリカのレストランで使われていたような大衆食器」をテーマにしたカラフルでポップなマグカップからスタート。丈夫でどこかレトロなHASAMIの食器は爆発的大ヒットとなりました。

その後、アメリカのデザイン会社「ハウスインダストリーズ」とコラボしたブランド「ものはら」も登場。他にも和テイストの「BARBAR」「SOBA CHOCO」など、さまざまなアパレルメーカー等とのコラボシリーズを発表し、いずれも高い人気となっています。

波佐見焼の特徴

波佐見焼は、はじまった当初は陶器を生産していましたが、村内で良質な磁器の原料が発見され、染付と青磁を中心とした磁器を生産するようになりました。現在の波佐見焼はそのほとんどが磁器食器となっています。

波佐見焼は、透き通るような白磁の美しさと呉須(藍色)で絵付けされた繊細な「染付」が特徴です。また、汚れにくく丈夫で、食洗機や電子レンジで使えるものも多く、扱いやすいのも人気の理由です。

しかし、誰もが使いやすい日用食器を分業制で大量生産に特化した生産法であることもあり、それ以外にこれといった特徴はありません。それがかえって、型にはまらない自由なデザインが受け、新たなブームを呼び起こしているとも言えます。
波佐見焼は、その時代に合わせて柔軟に変化し、大衆文化に寄り添うことができるのが最大の特徴と言えるのではないしょうか。

陶器と磁器の違いは?

陶器と磁器の大きな違いは、その原料です。陶器は粘土を原料として低温で焼き上げるのに対し、磁器は石粉(磁土)を原料とし、高温で焼き上げます

陶器

磁器と比べてガラス質が少なく柔らかいのが陶器です。厚手で重く、叩くと鈍くて低い音がします。水を吸いやすいですが、通常は釉薬をかけて水を通さないようになっています。熱伝導率が低く、熱しにくく冷めにくいのが特徴です。代表的な陶器として美濃焼、信楽焼、備前焼、唐津焼などがあります。

磁器

磁器は薄手で軽く、叩くと金属的な高い音がします。ガラス質が多くほとんど水を通しません。熱伝導率が高く、熱しやすく冷めやすいのが特徴です。代表的な磁器として有田焼・九谷焼(くたにやき)・砥部焼(とべやき)などがあります。

波佐見焼と有田焼の違い

波佐見焼は400年以上の歴史がある割に名前に馴染みが薄いのは、長年にわたって波佐見焼は「有田焼」として流通していたためです。
波佐見町と有田町は隣町です。波佐見焼きは大量生産するための分業制が発達していて、有田焼の下請けとしても数多く生産してきました。そして、これらの磁器を出荷駅がある有田から全国に流通していたため、有田町・波佐見町で作られた磁器を総称して「有田焼」として名が広まりました。そのため、「波佐見焼」という名が世に出ることがなかったのです。

そもそも、波佐見焼と有田焼は朝鮮出兵の帰国に同行した2人の陶工により、ほぼ同時に誕生しました。1人は有田で、もう1人は波佐見でそれぞれ良質な原料を発見し、窯を開いたのが始まりです。
有田焼は「柿右衛門様式」などにも代表されるように、繊細で華やかな絵付けを特徴とし、徳川御三家の献上品を作っていました。一方、波佐見焼は染付を主とし、シンプルで使い勝手の良い「普段使いの食器」を作ることに特化しました。
このように、波佐見焼と有田焼は原料の原産地や使用目的こそ違うものの、祖となるものは同じで製造工程に大きな差異はありません

また、「伊万里焼」も有名ですが、伊万里焼も実は有田焼や波佐見焼です。
伊万里には港があり、伊万里港から全国また海外にも出荷していたため、「伊万里焼」「IMARI」と称して拡大していきましたが、当初はそもそも伊万里では陶磁器の生産はしていませんでした。明治以降、伊万里市でも生産されるようになりましたが、江戸時代に伊万里焼と呼ばれている陶磁器はすべて、有田焼または波佐見焼なのです。これらは現在の伊万里市で生産されている伊万里焼と区別するため、「古伊万里」とも呼ばれています。

波佐見焼の歴史

波佐見焼は1600年ごろ、大村藩主の帰国とともに朝鮮から陶工がやってきて窯を築いたのが始まりとされています。はじめは陶器を生産していましたが、村内で良質な磁器の原料が発見され、染付と青磁を中心とした磁器を生産するようになりました。

波佐見焼は大衆向けの日用食器として大量生産を続けてきました。丈夫で壊れにくい「くらわんか碗」と呼ばれる大衆食器は、江戸時代の庶民の食文化を支える波佐見焼の代表製品となり、江戸後期には染付の日本一にもなりました。
また、東インド会社などを通してヨーロッパ各国にも輸出され、かのトルストイも愛用したと言われる「コンプラ瓶」(醤油瓶)や、「ワレニッカ食器」と呼ばれた学校給食用の強化磁器食器なども開発されました。
こうして、波佐見焼は大衆向け食器として大きな発展を遂げてきたのです。

波佐見焼は、先にも記載したようにその名を「有田焼」として数多く流通してきました。しかし、2000年、世の中の産地偽装問題をきっかけに生産地表記の厳密化を余儀なくされることとなりました。波佐見焼は有田焼の名称を使うことができなくなったのです。ここから「波佐見焼」の挑戦が始まりました。

知名度のない波佐見焼は売り上げが激減してしまい苦戦を強いられます。
厳しい状況の中、産地問屋のマルヒロが試行錯誤の末、2010年に生み出したのが波佐見焼をブランド化した「HASAMI」です。60年代のアメリカンテイストなカラフルでポップな「HASAMI」は、展示会などで徐々に人気が出始め、有名アパレルブランドとのコラボがきっかけとなり、爆発的ヒットとなりました。
これが、波佐見焼リスタートの鍵となったのです。

決まった型がなく、自由度の高い波佐見焼は、他ブランドにも多く取り扱われるようになりました。近代的なおしゃれでかわいいデザインや、ポップな色使いから優しい色付けなどが若者に広く受け入れられました。また、手頃な価格帯で取り扱いも簡単であることも相まって、近年、急激に人気が高まり注目を集めています。

波佐見焼ができるまで(工程)

波佐見焼も含め、ほとんどの焼きものは以下の工程で作られています。

  1. 成形…鋳込みなどで型を作って作ります。ろくろで作る場合もあります
  2. 乾燥…形を整えた後、風通しが良く日のあたるところで十分に乾燥させます
  3. 素焼…約900度の低い温度の窯で焼きます
  4. 下絵付…素焼した器に高温で発色する顔料(下絵具)で絵柄をつけます
  5. 釉かけ…表面が滑らかになるように釉薬に浸します
  6. 本焼…約1300度の高い温度で焼き上げます。釉薬が溶け、ガラスコーティングされます

染付などの下絵付の器はこれで完成となります。
上絵付の器はさらに以下の工程が加わります。

  1. 上絵付…低温で溶ける顔料(上絵具)で絵を描きます
  2. 焼付…約800度の低い温度で焼き、顔料を焼き付けます

上絵付は合計3回、窯に入れて焼きますが、上絵付は釉薬でコーティングされていないので剥げやすくなります。また工程が多く手間がかかるので、下絵付より高価なものが多いです。

波佐見焼の取り扱い方法

波佐見焼は他の陶器と比べ、扱いやすく使い勝手が良いのが特徴です。
しかし、その絵付けや装飾によって、取り扱い方法が異なります

上記の製造工程を見るとわかるように、下絵付けされたものは釉薬をかけて本焼きされるので、絵付けごとガラスコーティングされます。そのため、下絵付の器は表面がつるっとしていて、絵柄がはげたりすることがありません。
しかし、本焼きの後にさらに絵付けされた上絵付の器は、釉薬によるコーティングがされていない状態になるので、上絵付けされた絵柄は触るとザラっとしていてはがれやすくなります。

つまり、下絵付の器は取り扱いが簡単で電子レンジや食洗機もOK。しかし上絵付の器は基本的にはNGということになります

  • 下絵付の器…染付
  • 上絵付の器…赤絵、色絵、金彩、銀彩、プラチナなど

波佐見焼の多くは染付なので、取り扱いが簡単なものが多いのですが、そうではないものもあるので注意してください。

染付とは

染付(そめつけ)とは、白磁に呉須という藍色の絵の具で絵付けされている器の総称です。
波佐見焼の代表作とも言えます。
素焼きした生地の上に絵付けし、釉薬をかけて本焼きするので、絵付けが色あせすることがありません。上絵付はしないので、下絵付のみの器となります。

赤絵とは

赤絵(あかえ)とは、本焼きの後、赤い絵の具で上絵付をした器です。有田焼などによく見られる和テイストの赤い絵付けが特徴です。
上絵付をした部分はザラっとしていて硬いものでこすると剥げてしまうことがあります。
短時間の電子レンジは使用できますが、食洗機は光沢がなくなったり、絵柄が剥げてしまう場合があります。

色絵とは

色絵(いろえ)とは、赤絵と同様に上絵付をした器です。発色の良い絵の具で上絵付をして焼き付けています。ポップなカラーの絵柄のものは色絵が多いのですが、器全体がカラフルなカラーのものは、釉薬自体をカラフルなものを使用している場合が多いので、色絵ではありません。下絵付の器となります。
上絵付した部分はザラっとしていて硬いものでこすると剥げてしまうことがあります。
短時間の電子レンジは使用できますが、食洗機は光沢がなくなったり、絵柄が剥げてしまう場合があります。

金彩・銀彩・プラチナとは

金彩(きんだみ)、銀彩(ぎんだみ)、プラチナといったものは、本物の金や銀、プラチナで上絵付された器です。器の淵が金で縁取られてキラキラしているものや器の表面に塗られたものなどがあります。いずれも本物の金やプラチナが使われていて、高級感があります。
しかし、その分、取り扱いがやや難しく、硬いものでこすると剥げてしまいますし、長期間放っておくと経年劣化し、金や銀が黒ずんでしまいます。
また、電子レンジや食洗機などでは使用できないので気をつけましょう。